心理学の実践方法

予定を入れ過ぎる、詰め込む人の心理と対策3つ

2016年1月28日

焦りながら走っている女性の写真

休日が空いていると嫌な感じがして予定を詰めたり、仕事を詰め込んで限界を超えて働き過ぎ、体と心を壊してしまう人もいます。

予定をどんどん入れる事がストレスではない、苦しくないのであれば何の問題もありません。

やりたいから予定を入れるというよりは、空白の時間が何か嫌な感じがするという理由で予定を詰め込むと、体も心も段々消耗してきます。

この記事では、休みたいのに予定を入れてしまう心理と対策を紹介します。

予定を詰め込む心理2つ

次のいずれか、または両方です。

  • 何もしない、休むことに罪悪感がある
  • 空白の時間ができると嫌な感情が出てくる

詳細を解説します。

1 何もしない、休むことに罪悪感がある

休むことに罪悪感があると、無理をしすぎてしまったり、仕事を抱えすぎてオーバーワーク(過労)になります。

特に日本では、「忙しい事、仕事を沢山やっている事、効率的に多くを生み出せる事」などが美徳とされている風潮が強いです。

行動するのが良いこと!仕事があるのが良いこと!という思いが強いと、その反対の何もしない、休むのはダメ、悪いことという思いが無意識に根付く場合があります。

しかし、人であれば前向きでガンガン頑張れる時もあれば、ちょっと今日は気が乗らないな~、怠けたいな~という時もあるのが自然です。そんな時にも予定を入れて頑張れるのは1つの強みだと思いますが、「休みたい、何もしたくない気持ち」を意識しながら予定を入れれるのと、それを感じないように抑えこんで予定を入れるのとでは意味が違ってきます。

後者のように自分の気持ちを自覚出来ていないと、自分自身がオーバーワークになるだけでなく、休暇を取ったり休んでいる人を見ると無性にイライラして腹が立ってきて、その人に強くきつくあたってしまう事もあります。

どちらも自分も周りの人もしんどいです。

ゆっくりしたい・何もしたくない・怠けたい自分自身を受け入れる

私自身若い時は上記の自分が受け入れられず、身体や休めていても、気持ちは常に焦って「何かしなければ」という意識が強くて疲労した経験があります。

特に何もせずにダラダラと過ごしている人を見ると、軽蔑していました。20代前半の時にネパールのポカラという所に旅行した際、その土地で本当に何もせず、日本食の店に行って、日本のマンガを見て過ごしている若い日本人旅行者がかなりいました。当時自転車で旅していた私は、「何やってんだこの人たち・・。」とハッキリ言って軽蔑してたんですね。

これは当時の私が、自分自身の中にもある怠けたい・何もしたくない自分を見ないようにしていたからだと思います。自分は我慢しているのに(無意識のうちにですが)なぜあなたはそれをするのか!という思いが心の中にあったからこそ、何もしない人を見てイライラしていたんだと思います。

人であれば前向きに積極的になれる時もあれば、後ろ向きになったり、消極的になったり、何もしたくなくなる時もあります。

どちらが良い・悪いではなく、その状態の自分自身を受け入れていくと、何もしなくても罪悪感は出なくなり、落ち着いて休めるようになります。

2 空白の時間ができると嫌な感情が出てくる

これは主に幼少期に辛い体験をした方です。

何もしない・身体を動かしていないと本来考えなくても良いマイナスの事を考えやすいですが、このケースだとゆっくり休めません。

つらい体験であればあるほど向き合ってクリアにするのに心の体力を使いますので、タイミングをみてカウンセリングを活用するのがお勧めです。

対策|承認欲求を満たしていく

承認欲求とは、人の心の根本にある自然な欲求です。※詳細は 90秒でわかる「マズローの5段階欲求とは」の記事を参照下さい。

特に幼い時に親がとても厳しかった、子を褒めない・認めない親だった場合、承認欲求が満たされていない感覚が出てきやすくなります。

そうなると、「今の自分ではダメだ…」「役に立たない自分には価値が無い…」という不安感が非常に強く、その不安感を埋めるために予定を入れたり、無理な仕事や残業を言われても断れなかったり、オーバーワークになる事があります。

承認欲求が満たせてない時は、頑張っても頑張っても何か埋まらない心の違和感のようなものが感じられます。私自身過去そうでした。自分を認められていない状態なので、他人のことも褒めたり認めたりするのは苦手な状態です。

頑張っても頑張っても何か埋まらない感覚がある時は、この承認欲求が満たせていないケースがあります。※満たすための方法については、自己肯定感が低い原因7つ|幼少期の親との関係、家庭環境の影響が大半の記事をご覧ください。

空白の時間が落ち着かない方へのお勧め本

死ぬまで生きる日記|土門蘭

作家である著者の方が、実際に2年間カウンセリングを受け続けられた内容が鮮明に記載されている本です。

死にたいという感情について深く探求された内容が記載されているため、どうしても読むのに一定の心の体力は使います。著者の方も空白の時間が怖く、予定を詰め込んでしまうタイプの方で、それを根本から改善されている記録が記されています。

著者の方は、

1人でも安心できる自分になりたかったのかもしれない

と記載されていますが、同様に感じられている方は非常に多いと思います。

読むことでカウンセリングを受ける効果も得られる非常にお勧めできる本です。

承認欲求を満たす他の方法

おすすめは、「自然を意識する」ことです。大自然の中にいると、ただそこにいるだけで満たされる感覚があります。

日常ですぐにやれる方法として、「空を見る機会を増やす」と気持ちがおおらかになれます。交差点で止まった時などがやりやすいです。

夕暮れの空の写真

ちなみに以前、矢追純一さんはTVでかなりの数のUFO特集をしていますが、次の理由から制作されていた事を最近知りました。

みんなに空を見上げて欲しい」という思いで制作したんですよ。世の中の人は、脇目も振らずに一心不乱に歩いているなぁと思っていたんですよね。全員が忙しいわけないのに、みんな急いでいる。

それは精神的な余裕がないからなんです。とにかく忙しくしていないと、自分を保てない。そして煮詰まって、最悪の場合自殺してしまう人もいる。

矢追純一(フリージャーナリスト)

週刊ジョージアvol.94 より引用

予定をしっかりと詰めて行動出来るのは、パワーがあるからこそだと思います。ただ、予定を入れ過ぎて何か心に違和感がある時、なぜそうなるのかを振り返ってみる事が、自分が本当に望んでいる事を掴むきっかけになります。

関連:休む罪悪感が出る心理学的な理由と楽にする方法4つ

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  • この記事を書いた人

井上 隆裕

ジョイカウンセリングスクール代表。福岡にて心理学・コミュニケーションセミナー、心理カウンセリングを実施。2004年よりプロとして活動してます。プロフィール

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