岡山実践心理ブログ

カウンセリング・心理学等の役立つ情報、スクールの様子をお届けします

箱庭療法の作品を解釈・分析する簡単な方法2つ

 2016年8月30日  

箱庭療法の作品全体図

心理カウンセラーの井上です。上の箱庭グッズが並べられている写真は、私が箱庭療法を習い始めの頃、当時勤めていた老人ホームの利用者さん(80代前半の男性)に作ってもらったものです。

箱庭療法で使用する箱は高価なので、当時持っていませんでした。主に100均で買ったグッズのみ使用し、本来の箱の代わりに台を使って作成してもらいました。※箱庭療法とは?については→の記事をご参照下さい。私が過去失恋後に作った箱庭療法の作品とその効果

この箱庭の作品を作ってもらった利用者さんは、車いすで生活されてましたが認知症は無く普通に会話出来る方だったんですね。ただ、当時の私がこの箱庭を見て真っ先に思った事は、「数が多すぎる・・・どれから聞けばいいんだ・・」でした。

というのも、箱庭療法の進め方のベースとして、全体のイメージを聞いたあとは、選ばれたグッズに対して1個づつ丁寧にきいていくやり方を習っていたんですね。

例えば写真の箱庭作品であれば、右上のイルカに対して、

  • この子はどんな子(性格)なのか?
  • 今何をしているのか?
  • どんな事を考えているのか?

などです。

上の質問からさらに深めていくことも多かったのですが、この箱庭の場合だと、1つ1つそれをしていくには数が多すぎる・・・と感じました。

この時は、結局作成した方が話される事をただ受け身で聞いて、なんとなくで終わってしまいました。お金をもらっていないトレーニングだったとはいえ、不甲斐なさが残ったのを覚えています。

この箱庭を行ってから約8年が経過しているのですが、改めて振り返ってみて「ここが深めるポイントだよ!!」と当時の自分に伝えたいポイント、(箱庭療法の作品を、解釈・分析する方法)を紹介します。

1 全体の雰囲気を見る・感じる

1つ1つの箱庭グッズを質問して明確にする方法でも様々な事がわかりますが、それより大切なのは、全体のイメージです。作品によっては寂しさや悲しさが現れているケースも多いです。

例えば、↓の箱庭療法の作品。

失恋後に作った箱庭療法の作品

私が過去失恋後に作った箱庭療法の作品とその効果の記事でも紹介していますが、当時の私が失恋後に作ったものです。失恋後の悲しみをどうこうしようとして作った訳ではありませんが、途切れ途切れの砂や、枯れ葉から寂しさが感じられます。

全体の雰囲気を見るということを踏まえて、あらためて施設の老人の方が作った箱庭の作品を見てみると、わかる事があります。

何かというと、右半分のグッズは左向き、左半分のグッズは右向きの物が多く、右対左で向い合っています。

右と左で向い合っている箱庭療法作品

向い合っているのは、心の中の何かが対立しているイメージなのかもしれませんし、葛藤しているイメージなのかもしれません。ここを踏まえた上で「左半分のグッズは右向きで、右半分のグッズは左向きのものが多いですが、どんな感じのイメージですか?」と聞いていれば、より深い内容を話して頂けていたのではと思います。

2 全体を見て、違和感のあるもの・特徴のあるものを深める

当時の私は全く気が付かなかったのですが、改めて見るとこの箱庭にもいくつかポイントが感じられます。

例えば、右下の服を着たクマの人形。一見して男の子と女の子の人形なのですが、ここにもポイントがあります。

右下の女の子のクマ人形がころんでいる箱庭

そう、男の子のほうのクマは普通に座っていますが、女の子のクマはひっくり返っています。なぜ女の子クマはひっくり返っているのか?それに対して隣の男の子クマは気付いているのか?どう思っているのか?など、突っ込みどころ満載なのですが、当時の私はそれに全く気付かず、スルーしていました。

他にも、この作品の中に、1つだけ他と種類が違うものがあります。

1つだけ種類が違うもの

何かというと、中央の消防のはしご車です。

箱庭療法作品のはしご車拡大

動物系は複数ですし、銃と戦車は、関連性があります。ただ、はしご車は「助けるモノ、緊急時に出動するモノ」で他に同じような種類は、この作品の中にありません。しかもこのハシゴ車のハシゴは可動式で伸び縮みするものなのですが、目一杯ハシゴが伸びています。

これについても当時は全く気付かなかったのですが、ひょっとしたら「心の中の誰かに助けて欲しい部分」または、「誰かを助けようとしているイメージ」が現れていたのかもしれません。

ハシゴ車は何をしているのか、なぜハシゴが目一杯伸びているのか、なぜ出動したのかといった事を聞けば、「その方自身」がより深く理解できたのではと感じます。

まとめ

箱庭療法を分析・解釈する方法として

  1. 全体の雰囲気を見る・感じる
  2. 全体を見て、違和感のあるもの・特徴のあるものを深める

を紹介しました。

上記の内容はあくまで仮説ですので、それを踏まえた上でしっかりと聴いて深めることがより深い自己理解・他者理解に繋がります。

箱庭療法の理解を深めるためには、私の先輩が「箱庭は数だよ」と言っていましたが、私自身も全くその通りだと感じます。

関連する記事
箱庭療法で何も置かなかった時の分析方法3つ

-箱庭療法