死ぬ夢、殺す夢の心理学的な意味|新しい自分を作りたい思いの現れ

人が死ぬ夢や誰かを殺す夢を見ると、嫌な気分になったり不安になりますが、実は吉夢です。

というのもユング心理学では、死は常に再生とセットとされているためです。

つまり今までの自分の考え方、行動パターン、人との関わり方などを見直し、新しい自分自身を作る(他人を殺す場合、その人と新しい関係性を築く)という思いが現れています。

この記事ではその理由と、死んだ人のパターンごとの意味合い等を解説します。

心理学的に死と再生がセットの理由

何かが無くなる(死)=何がが始まる(再生)というイメージは、人の心に根付いています。

例えば自然界では、倒木更新と呼ばれる作用があります。これは例えば森の中にあった大きな古い木が寿命などで倒れると、その倒れた木自体が栄養分になって、倒れた木の上に新芽が生えやすくなります。

また、大きな木に当たっていた日光は、その木が倒れることによって、周りの木に当たるようになり、周りの木が生きてきます。

このように、倒れる・死ぬことによって、古いものが無くなり、新しいものが出てきます。死と再生は自然界においても共通の原理ですが、人の心にも同様に当てはまります。

自分が死ぬ夢の場合と、他人が死ぬ夢の詳細な意味合いについて解説します。

自分が死ぬ夢

自分が死ぬ夢は、これまでの自分の生き方、考え方、行動パターン、人との接し方等を改め、新しい自分自身の生き方を創っていきたいという思いの現れです。

また、転校、転職、結婚など、人生の新しいステージに進む、大切な選択(新しい挑戦)をする心構え、準備が整っているというケースもあります。

友達が死ぬ夢

友達が死ぬ夢の場合、その友達と今まで通りの付き合いではなく、新しい関係性を作っていきたい思いの現れです。

今までと付き合い方・関わり方を変えるのか(例:今までは思っていることを言わないことが多かったが、これからは言う機会を増やす)、関わりを深めるのか、それともあまり関わらないようにするのかは人によって異なります。

家族・身内が死ぬ夢

家族や身内が死ぬ夢は一見不吉です。心理学的な意味合いは、その家族との今までの付き合い方・関わり方を見直し、新しい関係性を作っていきたい思いの現れです。具体的には人によって変わりますが、次のような変化になります。

  • 今までは親の言う通りにしてきたが、これからは自分の選択を大切にしたい
  • 親の言い方がきつく、言い返したことがなかったが、これからは思ったことを伝えていきたい
  • 今までは親を支えるばかりで自分が誰にも甘えられなかったが、これからは自分の素直な思いを大切にしていきたい

家族や身内との関係性は、人生への影響が高いです。そのため家族や身内が死ぬ夢をみた場合、具体的にどんな風に関わり方を変えていきたいと感じているのかを明確にすると、夢がより活きます。

知らない人が沢山死ぬ夢

この場合最上級に縁起の良い夢です。

というのも、ユング心理学では知らない人はシャドウ(自分の中のまだ認められていない部分、受け入れられていない部分)を意味するためです。

つまりこの場合、今までは受け入れられなかった自分自身の何かを、受け入れられるようになる(自己肯定感が高まる)というメッセージです。詳細は人によって異なりますが、例として次のようなケースがあります。

休むことに罪悪感があったが、それが無くなる前兆(自分の中の休みたい、ゆっくりしたい思いを受け入れられている)
良い人であらねばならない思いが強く、無意識に怒りを抑えがちだったが、本音の感情(怒り)を受け入れられる前兆

夢の中で知らない人が沢山死ぬ=自分の中のシャドウを受け入れられるようになるという意味合いです。

シャドウを受け入れられるようになると、シンプルに自己肯定感が高まって生きるのが楽になりますし、自分だけでなく他人に対してもやさしくなれます。

誰かを殺す場合・殺される場合

どちらも意味合いは死ぬ夢と同様で、その人と新しい関係性を築いていきたい思いの現れです。

自分が誰かを殺す夢の場合、より能動的(自分から何らかのアクションを起こす)な意味合いが強いです。

逆に誰かから殺される場合も意味合いとしては同様ですが、より受動的(他者から何らかのアクションが感じられる)な意味合いが強いです。

誰か(自分以外の人)が何かを殺す夢

これも基本的な意味合いは死と再生で、新しい変化の前触れです。例えば母親が何かを殺す夢であれば、

変化する上で自分の中の母親のような要素やイメージ(優しさ、包容力など)が大切と感じている

現れといえます。

ただし、誰か(自分以外の人)に対する強い恐怖感が夢に現れている場合もあります。

意味を知らずに話し、問題になったケース

死ぬ夢、殺す夢の意味合いを知っていれば見れると嬉しい夢ですが、知らないと非常に怖い夢です。

実際この夢の意味合いを知らないまま他人に話してしまったために、大事になったこともあります。

以前大阪府の小学校の先生が、クラスの子供を殺す夢を見たんですね。その先生はそれをそのまま生徒に話してしまい、新聞に載るくらい大事になってしまいました。もちろんその先生は、夢の中で殺す事は、死と再生の意味合いがある事を知らずに話してました。

もしこの意味合いを知っていれば、生徒との新しい関係性を築いていきたいという素敵なメッセージなのですが、これを知っていると知らないとでは大違いです。

知っていれば、たとえ親御さんがお子さんを殺す夢を見ても、子供と今までの関係性を改め、新しい関係性を築こうとしているんだなと、余裕を持って受け取れます。

まとめ

死ぬ夢、殺す夢はユング心理学では死と再生を現し、今までの考え方や関わり方を見直し、新しい生き方・関係性を築いていきたい思いの現れです。

特に人生の節目の時期に見やすく、意味を知っておくと自己肯定感が確実に高まる夢です。

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  • 執筆者

井上 隆裕

ジョイカウンセリングスクール代表。福岡にて心理学・コミュニケーションセミナー、心理カウンセリングを実施。2004年よりプロとして活動してます。 プロフィール

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