
特に人前で話すときに緊張感が出る人は多いです。
適度な緊張ならよいのですが、過度に緊張すると、相手にもそれが伝わって緊張を与えることになったり、自分自身の声が震えたり、ドキドキと動悸がして集中出来なかったりします。
緊張しすぎて自分自身の本来の100%の力を発揮できず、悔しい思いをされたことがある方もおられるのではないでしょうか。
緊張に対応するための方法は「絶対に緊張しない方法7つ」の記事で紹介しておりますので、この記事では「人はなぜ緊張するのか?緊張する理由と、2つの対応法」について紹介します。
緊張する理由|実は人の自然な反応
結論からストレートにお伝えすると、緊張するのは人の「防衛本能」です。
というのも、緊張すると以下の様な特徴が体に出てきます。
- 筋肉が硬くなる。
- 呼吸が早くなる。
- 血流が早くなる。
例えば大昔、人が狩りでイノシシなどの獲物を捕えるとき、筋肉がリラックスした柔らかいままだと、自分を守れません。戦うときのテンションと、ゆっくりとお茶を飲みながら本を読むときのテンションや筋肉の状態は、明らかに違います。
緊張して筋肉が硬くなるのは、自分自身の体を守るためです。大昔から引き継がれてきている大切な防衛本能です。
人前で話すときに緊張すると呼吸が早くなりますが、これも酸素を多く取り入れて頭の回転を上げ、力を発揮しようとする現れです。
人前で話すときに家でいるようなリラックスした態度では、聴いている人がどんな風に感じているかを掴むこともできませんし、話の内容を理解してもらえるように情熱を込めて話せないものです。
緊張して呼吸や動悸が早くなるのは、自律神経(オートマティックに体の調子を整えてくれる神経、汗をかくのも自律神経の働きの1つです)が働き、持てる力をフルに発揮しよう!という思いがあるからこそです。
ですので、適度な緊張感はその人の持っている力を十二分に引き出すために、とても大切なものです。緊張感があったほうがいい結果を残せることがあるのはこのためです。
しかし、時に緊張しすぎて、緊張が邪魔をして本来の力が発揮できないことがあります。その理由を次に紹介します。
緊張しすぎる理由とは
これも結論からストレートにお伝えします。
という思いが強すぎると、緊張しすぎます。
緊張したときには、「マズイ!緊張して声が震えた・・手が震えている・・緊張しないようにしなきゃ!」と、緊張を意識することによって、ますます自分の緊張に意識がいくことがあります。要するに緊張を抑えこもう抑えこもう、緊張しないようにしよう・緊張しないようにしようとするわけです。
しかし、緊張を感じないようにしようとしても、緊張しているのはまぎれもない事実です。
自分自身が実際に感じていること・その感情を抑えこもうとすると、実は余計にそれがクローズアップされる、余計に湧き上がってくるという特徴があります。
緊張が高じて人前で文字を書くときに手が震えたり、お茶を出すのに手が震えたり、人前で話すときに顔が赤くなって話せなくなることがあるのはこのためです。
これは世界中のカウンセラーが使っている森田療法では「精神交互作用」と呼ばれています。
緊張しすぎないようにするための方法2つ
1 緊張していることを受け入れること
緊張したときに、マズイ!緊張している! と考えるのではなく、緊張していることを受け入れたほうがその緊張が高まりません。
たまに人前で話しながら「いや~、今日はこんなに多くの人に来て頂いて今とても緊張しています。」と自分自身で緊張していることを言う人がいますが、緊張感を受け入れるためのとても良い方法です。私自身も講座のときにたまに使わせてもらっています。
2 肯定形でイメージする
「緊張しないようにしよう」は、否定形です。否定形でイメージすると、必ずその否定形のイメージが頭に浮かんできます。
例えば、「スーパーで牛肉を買わないで下さい」と言われたら、いやがおうでも牛肉をイメージするはずです。同じように「緊張しないようにしよう!」と思うと、「緊張」というイメージが頭に浮かんできます。
緊張しすぎないようにするためには、肯定形でイメージします。
落ち着いて伝えよう、話そう、情熱を込めて伝えよう、という感じです。
緊張する場面で、「緊張しないようにしよう」と思って取り組むのと、「落ち着いて伝えよう」と思うのでは、脳の中で湧いてくる「緊張」の差は歴然です。
まとめ
緊張しすぎて本来の力が出せないのはとても悔しいことだと思います。
私自身、以前人前で話すトレーニングをしていた時に、手足がしびれてきたり、過呼吸になった事があります。これは、人前で話す「怖さ」を自分自身が感じているはずがない、と無意識のうちに思い込み、その「怖さ」を受け入れず、無理に抑えこもうとしていたためです。
緊張するのは人のとても大切な防衛本能です。
緊張感を受け入れ、肯定形でイメージしていくことで、緊張感と適切に付き合っていくことが出来ます。